从 ﾟ∀从は('A`)を拾ったようです(从 ﾟ∀从編)

1 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 16:56:44.76 ID:YQ0PUUsoO

立てよ

2 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 16:58:40.74 ID:pUWwP4I2O

支援

3 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 16:59:47.17 ID:YQ0PUUsoO

４月２１日

今日、ダンボールに入って捨てられている男を拾った。

男はガリガリで、おまけにホームレスみたいに汚い身なりをしていた。

しばらく物を食べてないみたいで、やせ細っている姿はなんだか哀れ。

私はそのまま通り過ぎようかとも思ったけど

暇だったし、気まぐれでダンボールから、男を無理やり立たせて家につれ帰った。

男は自分の名前を覚えていなかったから、私が適当にドクオと名づけてやった。

今日からこいつは私のペットにしようと思う。

家に帰って風呂に入れてやると、それなりに綺麗になったから首輪を作ってやった

藍色の合皮に金色の鈴がついた首輪だ

揺れると鈴が綺麗な音を奏でる。

オムレツを作ってやって、ドクオに食べさせている最中、私はドクオについて聞いてみた。

从 ﾟ∀从「なぁドクオ、お前なんで捨てられてたの？」

('A`)「それを俺に聞かれても……よくわからなくて、あの、なんですか、その顔」

ドクオはボソボソとした声で喋るのがデフォルトなのか、聞いててすごくイライラしてくる

だから喉に針をちくちく刺してやったらものすごく嫌がった

楽しかったからもっとやった

4 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:01:43.86 ID:wkC6ySML0

支援

5 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:01:49.52 ID:YQ0PUUsoO

４月２２日

ドクオに服を買ってやった。

テレビアニメみたいに可愛い服でも買ってやろうかと思ったけど、死ぬほど似合わないからやめた

こいつにはジャージで十分だ。

緑のジャージに『どくお』と名のついたジャージを着せてやると、得も知れない顔をした

ダサさ加減が良く似合ってると思うけど。

('A`)「………………」

从 ﾟ∀从「何か言いたいことでもあんのかよ」

('A`)「ないです……」

从 ﾟ∀从「じゃあ散歩いくか！」

(；'A`)「く、首輪を外してくださいよ！」

嫌がるのを無理やり押さえつけて、繋げたリードを引っ張っると、ひぐぅって変な声が漏れる

最後まで玄関にかじりついていたけど、お仕置きと称してピンセットを取り出したら怯えて大人しくなった

昨日抜かれたのがショックだったらしい

私はドクオのリードを引っ張りながら、鼻歌交じりに進んでいく。気分はＲＰＧの魔物使いだ。

(；'A`)「と、友達に見られたらどうしよう、とか……考えないの？」

从 ﾟ∀从「友達いないからへーき」

(；'A`)「………………」

6 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:03:36.43 ID:YQ0PUUsoO

４月２３日

朝からドクオがうんうん唸っている声で目が覚めた。

目覚め最悪！

腹いせにお腹を蹴ってやるともっと醜い声をあげた。ちょっと面白い

从 ﾟ∀从「何唸ってるの？」

(；A`)「頭……痛くて……」

从 ﾟ∀从「へー」

コンコンと頭を叩いてやると、本当に痛そうに抱え出した

軟弱な奴だと思うけど、こんなんで壊れてしまったらつまらない、私は１階に降りるといくつかの頭痛薬を持ってきて

ドクオの口に放り込んだ

吐きたそうにくぐもった声をあげていたけど、それは許さない

首に首輪をしていた後が赤く残っていて、なんだか自殺しようとしていたみたいに見えて、少しだけ笑った

从 ﾟ∀从「大丈夫？」

(；A`)「う……ぇえっ……！」

泣きそうな声で頭を振っていたけど、人間は強いから大丈夫だろう

私は朝ごはんを食べるためドクオをリードでベッドにつなげ、下に降りていった

7 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:05:24.88 ID:YQ0PUUsoO

４月２４日

今日、私の家の近くに住むモララー兄さんが、高級そうなお菓子をくれた。

このお兄さんはいつでも私にお菓子とかオモチャとか買ってきてくれる、多分ロリコンなんだろう。

モララー兄さんはやけに整ったその顔を胡散臭い笑顔で固めながら、近付いてきた。

(　･∀･)「こんにちは、ハインちゃん」

从 ﾟ∀从「ドーモ」

(　･∀･)「今日はいい天気だね」

从 ﾟ∀从「曇ってますけど」

(　･∀･)「そうだねｗｗ」

从 ﾟ∀从「…………」

話す話題がないなら話しかけなければいいのに、と思った。でもモララー兄さんはそうも行かない理由があるらしい

ポケットをまさぐると一枚の写真を取り出し、私の目の前に突きつけた。

(　･∀･)「ところでハインちゃん、最近こんな男、見かけたりしなかった？」

从 ﾟ∀从「………………」

モララー兄さんの手の中にあったのは、ドクオの写真だった。

よくわからないけど、私は知らん振りを通して、かぶりを振る。モララー兄さんは残念そうに笑うと去っていった

……しばらくドクオの散歩は控えよう

8 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:07:34.55 ID:YQ0PUUsoO

４月２５日

ドクオの知能テストと称して、数学の問題集をやらせてみた

もちろん出来なかったお仕置きとして針でチクチク刺してやるのだ。

正直、そんなに期待してなかったのだが、結構高度な問題集をドクオは見事に解いて見せ、まさかの全問正解だ。ぶっちゃけつまんない

从 ﾟ∀从「お前、頭は悪くないのな」

('A`)「数学は……公式に当てはめて答えを導き出すだけです……から」

当たり前のことを言ってるのだが、むかついたので一応針で刺してやった

ドクオの体にはもう結構な傷が刻まれてる。全部私がやったのだけど

(；A`)「や、やめてください……」

从 ﾟ∀从「やだ」

浮いたアバラをなぞりながら、チクチクチクチク、ああ楽しい。

一通り楽しむと、ドクオは疲れたように横たわっていた。

从 ﾟ∀从「疲れたの？」

(；A`)「えぇ……」

从 ﾟ∀从「とうっ」

(ﾟAﾟ)「あだっ！！」

背中を蹴ると、今度は蛙みたいな格好になって這いつくばった。私は指差して笑った後、食事の準備を始める

今日は何を作ろうか

9 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:08:06.02 ID:nh/mH+CiO

支援支援

10 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:08:40.46 ID:vp7WzcTBO

支援

11 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:09:21.22 ID:YQ0PUUsoO

４月２６日

趣味で工作していると、ドクオが後ろから興味深そうに近寄ってきた

('A`)「何を作っているんですか？」

从 ﾟ∀从「玩具」

('A`)「……人の手に見えますが」

从 ﾟ∀从「そうだよ」

そういう玩具を作っているんだから、当たり前だ。

ドクオはバツの悪そうな顔をすると、そのままどこかに行こうとする

顔を青くしていたので、それを引き止めて、無理やり椅子の上にバンドで固定した。

見たくないってんなら見せたくなるのがこの私の性格なのに、未だにわかっていないようだった。

(；'A`)「な、なんで固定を」

从 ﾟ∀从「面白いから、見てなって」

そう言って私はドクオの前で玩具を作っていく。

完成したら、ドクオと一緒に遊ばせよう。

そんで写真にとって、アルバムに入れよう。

来る日を想像し、私は制作に没頭した。

12 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:09:24.45 ID:pUWwP4I2O

つ�C

13 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:10:49.30 ID:o18h4RmH0

また腐女子スレか

14 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:11:37.57 ID:YQ0PUUsoO

４月２７日

まだ玩具は完成しない

ドクオが食事を作ってくれた、結構役に立つ奴だ。

トマトケチャップがアホみたいに振り掛けられたピザトーストにオレンジジュースを飲みながら配線を繋いでいく

この配線を繋ぐ瞬間が一番楽しい。

ケチャップの付いた口元に笑みを湛えて、私は睡眠もとらず制作に励んだ

15 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:13:03.93 ID:YQ0PUUsoO

４月２８日

まだ完成しない

ちょっとイライラしてきたので、ドクオを苛めてストレスを発散しようと思う

お風呂場に大量に水を張って、その中に放り込んでやった

震えながらばしゃばしゃともがいてる姿を一頻り楽しむと、なんだかスッキリした。

かじかむドクオをタオルで拭きながら、今度は熱湯に入れてやろうと考えた。

パーツが足りない。

16 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:14:32.23 ID:YQ0PUUsoO

４月２９日

あと少しで完成しそう

流石は私だ、天才だ

大分気分が落ち着いてきたので、今日は久々にドクオと散歩に行こうと思う

('A`)「まだ……気分が良くなくて……」

なのにドクオは布団に包まって震えていた。

ちょっと水風呂に落としたくらいでなんて軟弱なんだろう。私は無理やり布団を剥いでやると

そのまま首輪とリードをつけて外に連れ出した。

(；A`)「い、痛い！いたたたたた！！」

从 ﾟ∀从「今日は公園にでも行くかー」

(；A`)「いやだぁああああああ！！」

また玄関に齧りつく。

髪を掴んで無理やり歩かせた。ズルズルと足を引きずる姿は人形みたいだ。

もがきながら喋ってたけど、あんまり気にはならなかった。

パーツ見つかった。

17 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:15:16.52 ID:gLKAakHdO

支援

18 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:16:10.42 ID:YQ0PUUsoO

４月３０日

やっと完成した！

私は胸を張りながら、ドクオの前に玩具を差し出した。

新しい玩具は機械音をあげながら、ドクオに手を上げながら挨拶する。

| 　＾o＾　|「はじめ　まして　ぶーむ　です」

　　　　⊂彡

(#)'A`).｡「あぶっ！！」

从 ﾟ∀从「仲良くしろよ」

Ｂ−ＭＫＮ号はドクオを引っぱたくと、機械音声を出しながら朗らかに笑った。

我ながら良い出来だ。

これからはこいつのことはブームくんと呼ぶことにする。

('A`)「……なんで所々人間っぽくて後はロボットっぽいんですか……」

从 ﾟ∀从「方向性が変わったんだ、いい出来だろ？」

| 　＾o＾　|「ごしゅじん　さま　ぱんつ　ください」

从 ﾟ∀从「…………」

(；'A`)「…………」

私はスパナを握り締めた。

19 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:16:27.54 ID:1G+6r3JA0

こんなスレばっかりmixにでも書いとけカス

20 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:18:54.69 ID:YQ0PUUsoO

５月１日

今日はせっかくブームくんが完成したのだから、２人を連れて散歩に行くことにした

ブームくんは逃げないだろうから、首輪はしないつもりでいたけど深刻なバグが直ってないから結局二人共に首輪をつけた。

ブーム君のは赤いプラスチック製のものだ。中にＧＰＳ機能が搭載されている

| 　＾o＾　|「おそと　うれしいです」

('A`)「俺の首輪……外してください……」

从 ﾟ∀从「だぁめー」

二人のリードを引っ張って、今日はもちもち山まで歩いて行ってみようと思う

もちもち山ってのは近所の不法廃棄物が大量にある山のこと、たまに行くといいパーツが転がっている。

丁度荷物持ちもいるし

しかしもちもち山には想定外なことに、先客がいた

川 ﾟ -ﾟ)

ターミネーターに出てきそうな、背が高く、長い髪の女が無表情で不法投棄された電化製品を漁っていた

関わると面倒そうだから、今日は帰ろうと思ったのだが

| 　＾o＾　|「きれいな　おねーちゃん　ぱんてぃ　ください」

ブームくんのバグは一刻も早く直さなくちゃいけない

無表情だった女が、一瞬焦りの表情を見せてこっちを振り向いた

川 ﾟ -ﾟ)

21 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:19:04.56 ID:A5qLDkT2O

つ�C

22 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:20:19.82 ID:YQ0PUUsoO

从 ﾟ∀从

川 ﾟ -ﾟ)「……どなたですか」

从 ﾟ∀从「通りすがりの幼女です」

川 ﾟ -ﾟ)「通りすがりの幼女は普通大の男やロボットに首輪をつけて歩きませんよ」

从 ﾟ∀从「これは私のペットだもん」

だから他人にどうこう言われる筋合いはまったくないのだ

私はドクオとブームくんのリードを引っ張り、来た道を引き返した。

ブームくんはまだパンツパンツ騒いでいたけど、お喋り防止機能を作動させて黙らせた

川 ﾟ -ﾟ)「通りすがりの幼女さん」

从 ﾟ∀从「何？」

川 ﾟ -ﾟ)「素敵なペットですね、今度私にも下さい」

从 ﾟ∀从「やだ」

不気味な女だ

人のペットを欲しがるなんて、超怖い

きっとあの女は影で動物虐待とかしてるに違いない。私は山を降りながらそんなことを考えた。

23 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:22:15.71 ID:YQ0PUUsoO

５月２日

ドクオが熱を出した、酷い高熱だ。

深刻なエラーだ、とブームくんは騒いだが、私は慌てない。

慌てないでたらいにはった水をぶっ掛けた。

| 　＾o＾　|「ごしゅじんさま　それ　ちがいます」

从；ﾟ∀从「わ、わかってる」

私が薬を選んでいると、ブームくんがすでに薬をドクオの口に押し込んでいた

何故か私の白衣まで着こんで、「あんせいに　してれば　なおります」とかほざいている

从 ﾟ∀从「なんで私の白衣着てるんだよ」

| 　＾o＾　|「かっこいい　からです」

从 ﾟ∀从「お前が着ててもかっこよくねーよ！返せ！」

| 　＾o＾　|「ころしてでも　うばいとる」

ドクオが寝てるベッドの近くで騒いでいると、ドクオは耳を塞ぎながら唸っていた

早く元気になってほしいものだ、じゃないと遊べない。

24 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:24:24.31 ID:YQ0PUUsoO

５月３日

ドクオの熱が引いた。

お世話になりました、と頭を下げる姿は殊勝で中々いいと思う

こいつもペットとして成長したものだ。

私は笑いながら頭を撫でてやった。

('A`)「本当にありがとうございました、死ぬかとおもったけど」

从 ﾟ∀从「ばーか、そんな簡単に死なないよ」

('A`)「ええ……ハインリッヒさん……」

从 ﾟ∀从「ハインでいい」

| 　＾o＾　|「はいん　おなか　すきました」

从 ﾟ∀从「お前はちゃんと博士と呼べ」

| 　＾o＾　|「ははっ　わろす」

私はブームくんのお喋り機能をOFFにした。

しばらくこうしておこう。

('A`)「博士」

从 ﾟ∀从「…………」

こいつに博士って言われると、なんかむかつく。

私は全快したお祝いに、ドクオの嫌いなミミズの詰め合わせをドクオの体にぶちまけてやった

25 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:24:48.21 ID:qeBNOAT1O

劣化乙一＋山田悠介÷携帯小説

みたいな

26 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:26:30.00 ID:YQ0PUUsoO

５月４日

今日、モララー兄さんが尋ねてきた。

相変わらずアホみたいに大量で高価なお土産をもって、笑顔を絶やず玄関の前に立っている。

正直いい加減にしろロリコン野朗って思った

从 ﾟ∀从「何か用？」

(　･∀･)「遊びに来たんだよ」

从 ﾟ∀从「呼んでないのに？」

(　･∀･)「呼ばれてなかったら、来ちゃいけない？」

从 ﾟ∀从「うん」

(　･∀･)「………………」

何当たり前のこと言ってるんだこいつ

私はドクオと早く遊びたいから、帰ってくれないかなあって考えてたら、ブームが奥からやってきた。話のわかる奴だ。

昨日作ってやった『手がケンダマ』バージョンで遊びながら近付いてくる、きっと楽しいんだろう。

| 　＾o＾　|「あまり　たのしくないです」

从 ﾟ∀从「…………」

相変わらず、深刻なバグが発生している。

(　･∀･)「これは？」

27 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:27:55.00 ID:9YVJpVAZO

嫌いじゃない

28 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:28:12.07 ID:YQ0PUUsoO

从 ﾟ∀从「作った」

(　･∀･)「へぇ……すごいねぇ」

モララー兄さんは感心したように呟いたけど、私にとってはどうでもいい呟きだ

(　･∀･)「ハインちゃんは、こういうの作れるんだね」

从 ﾟ∀从「簡単だからね」

(　･∀･)「すごいねえ、本当すごいよ」

ニヤニヤ笑いながら、私の頭に手を伸ばしてきた。いい加減うざいので、ポケットに入れておいた光線銃で頭を貫くと簡単に倒れた。

つまらない

別に死ぬわけじゃないので、気を失ったモララー兄さんをブームくんに命じてゴミ捨て場に返すよう言ってく。

('A`)「……今、誰か来てませんでした？」

从 ﾟ∀从「誰も来てないよ、それより、お腹すいた」

('A`)「今作ってる最中ですよ」

ジャージ姿にエプロンをつけたドクオの方に走っていくと、ふんわりオムレツの香りが漂ってきた。

29 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:29:46.70 ID:A5qLDkT2O

しえしえ

気になる気になる

30 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:30:39.91 ID:6/Wntt60O

気弱なドックンを苛めて泣き叫ばせたい！（＞＜）

な腐女子様だろ

31 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:31:25.32 ID:YQ0PUUsoO

５月５日

今日の天気は雨だ。

雨は正直湿気るし、髪が跳ねるし、一日中外が暗いから嫌いだ

ブームくんをメンテナンスしながら、口を尖らせていたら、ドクオが窓の外を見ているのに気がついた。

何を見ているのかと思ったら、お向かいさんが薄いカーテン越しに着替えをしていた。

どうやらこいつにはお仕置きが必要なようだ。

私はドクオの服を全部脱がせ、変わりに不審者のような格好をさせてやった。

今流行の二人はマニキュアの変身後の服。この前ネットで落としたのだ。

(；A`)「か、勘弁してください……」

从 ﾟ∀从「あははははははははははあははははｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ」

死ぬほど似合わないから思いっきり笑ってやると、真っ赤になって泣いていた。

| 　＾o＾　|「ははは」

ブームくんが隣でネサフしている、私は面倒くさくなって今日は一日中寝てることに決めた。

ドクオが服返してください、とわめいていたけど、ガムテープで口を塞ぐと静かになった。

ああ、早く雨止まないかな

32 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:31:29.22 ID:lzWrhSPp0

オムレツばっかりやな

33 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:31:49.23 ID:kESHrta/0

なんだ腐女子か

34 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:32:38.63 ID:/x5+2FKIO

あえてオムライスにしないところに謙虚さを感じた

35 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:33:02.14 ID:YQ0PUUsoO

５月６日

ドクオがまた熱を出した。

一日中裸でいるからそういうことになるんだ、と言ったら睨まれた

別にびっくりしてなんていない。

ただちょっとだけ悪かったかなって思ったから、チャーハンを作ってやった。

(；'A`)「病気なのにこれは……お、重い……」

从#ﾟ∀从

無理やり口に詰め込んでやった。

ブームくんは隣でビリーズブートキャンプをやっている。

我ながらよくわからない物を作ってしまったものだ。

从 ﾟ∀从「お前、楽しいか？」

| 　＾o＾　|「べつに」

じゃあやめればいいのに、わけわかんないやつ。

36 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:34:10.98 ID:A5qLDkT2O

ゴミあさってたクーも気になるな

何を探してたか？

37 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:36:46.74 ID:YQ0PUUsoO

５月７日

晴れた。

昨日の雨が嘘みたいに晴れたので、私は散歩に出かける。

('A`)「一人で行くんですか？」

从 ﾟ∀从「連れてってほしいの？」

('A`)「いえ……俺が逃げるとか考えないのかと思って」

从 ﾟ∀从「だってお前、行くとこないじゃん」

そう言うと、図星を指されたみたいにドクオは黙った。

私は満足して白衣を脱ぎ、代わりにジャケットを羽織って外に出た。

眩しいくらいの太陽が眼球を刺激する。

今日はいい天気だ。

久々にもちもち山まで行ってみよう。

从 ﾟ∀从「ブームくん、留守番頼んだぞ」

| 　＾o＾　|「はい　はかせ」

そういいながらどうしてお前はwiiやってるんだよ。

そろそろ処分を考えるべきなのかもしれない。

38 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:38:08.86 ID:YQ0PUUsoO

５月８日

昨日もちもち山でネックレスを拾った。

いいパーツは何もついてないけど、綺麗だからなんとなく持ってきただけだ、それなのにドクオが

('A`)「博士も女の子なんですね……」

とか言うもんだから、久々に針で刺した。

口開けて舌にチクチク刺してやると声にならないような口調で何か言ってた

ざまみろ。

(；'A`)「ひゃ、りゃめてくりゃへやい」

从 ﾟ∀从「私がネックレス拾ったら悪いのかよ」

(；'A`)「いってまひぇんりにゃってまひゅ」

从 ﾟ∀从「なーに言ってるのかわかんないにゃー」

(；'A`)「ひりゃい！ひりゃい！！」

ああ楽しい。

やっぱりドクオと遊んでる時が一番楽しい。

私は持ってきたネックレスを放り投げて、ドクオと遊んだ。ブームくんは後ろで漫画を描いている

何に目覚めたんだよお前は。

39 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:39:18.80 ID:YQ0PUUsoO

５月９日

今日もヒマだから玩具を作っていた

後ろからドクオが覗き込んできたから、えっち、と言ってやると微妙な顔をしていた。

もしかしたらこいつもロリコンなのかもしれない。

('A`)「今日は何作ってるんですか？」

从 ﾟ∀从「地球を破壊する生物兵器」

('A`)「え」

从 ﾟ∀从「冗談だよ」

相変わらず、からかうと面白い奴だ。

本当はただのミキサーなのに。

昨日ミキサーが壊れたから作ってたのだ。ただ私はミキサーの作り方なんて知らないから

結局こうなってしまうのだけど

|　^o^　|「みきさー　の　ゆうたろう　です」

(；'A`)「ミ、ミキサーが名乗った！！」

从 ﾟ∀从「今日はコロッケ作るからパン粉作るんだ、じゃあ頼んだぞ」

('A`)「え、俺がパン粉を……作るんで、すか？」

从 ﾟ∀从「そうだよ、当たり前だろ」

('A`)

40 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:39:59.13 ID:jiKilVN5O

ブーム君良いキャラしてんなwww

41 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:40:21.16 ID:YQ0PUUsoO

ドクオはまた微妙な顔をしていたが、私は任せてベッドに飛び込んだ。

徹夜でミキサーを作ったせいか、眠たくて仕方ないのだ。

奥からドクオの叫び声とミキサーの唸り声が聞こえてくる。

何かあったのかもしれないが、今は睡魔に勝てる気がしない。

この世で一番強いのは多分睡魔だ

デスピサロとか弱い弱い

从 −∀从

私はまどろみの世界へと落ちていった

42 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:41:33.55 ID:A5qLDkT2O

つ�C

43 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:41:37.77 ID:V3zetuxhO

ブームワロタｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

44 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:42:03.18 ID:fUW6LdW+O

支援

45 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:42:16.42 ID:YQ0PUUsoO

５月１０日

ドクオが家に来てから２０日たった。

お祝いでもしてやろうかと、ケーキを買いに近所のスーパーに行く。

生クリームの大安売りがやってるんだ。多分賞味期限が近いからとかそんな理由だろう。

私が買い物カゴ片手にスーパー内を闊歩していると、肉売り場コーナーでいつかのターミネーター女を見かけた。

川 ﾟ -ﾟ)

無表情ながらも真剣な表情で肉を見つめている。

ターミネーターでも肉は食うんだ。

そう思ってボンヤリ見ていたら、こっちに気がついたらしく、ちょっとだけ頬を吊り上げた。

もしかしたらあれで笑ったつもりなのかもしれない。

川 ﾟ -ﾟ)「こんにちは、通りすがりの幼女さん」

从 ﾟ∀从「ドーモ」

川 ﾟ -ﾟ)「こんなところで何をしているんだ？」

从 ﾟ∀从「スーパーに、買い物に来る以外の理由があるのかよ」

川 ﾟ -ﾟ)「ええ、そうですね」

女は持っていた肉を買い物カゴに入れると、私の横に並んで歩き出した。

え、一緒に歩くのかよ。

やだなあ、なんか怖いんだもん。

46 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:46:27.33 ID:YQ0PUUsoO

川 ﾟ -ﾟ)「時に幼女さん」

从 ﾟ∀从「なに」

川 ﾟ -ﾟ)「あなたの家のペットは元気ですか？」

从 ﾟ∀从「関係ないだろ」

つっけんどんにそう返してやると、女は生気のあまり感じられない目を閉じて、言った

川 ﾟ -ﾟ)「確かにそうですね」

また、笑ったつもりなのかもしれない。

从 ﾟ∀从「……私もう行くから、ばいばい」

川 ﾟ -ﾟ)「ええ、お元気で」

そう言って離れたけど、女はいつまでも私のことを見ていた。視線だけが離れず追ってくる

怖かったんで携帯を取り出し、迷わず１１０をプッシュした。

これで解決！国家権力万歳！！

47 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:46:34.17 ID:sTMl8GHmO

これは面白い

支援

48 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:47:12.04 ID:fUW6LdW+O

こらｗｗｗｗ

49 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:47:53.25 ID:A5qLDkT2O

つ�C

クーミネーターきた

50 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:49:44.45 ID:YQ0PUUsoO

５月１１日

ドクオが台所でケーキを作っている。

台所からは生クリームや甘い苺の香りが漂ってきて、私は鼻をスンスンと鳴らした。

('A`)「どうして……to俺from俺でケーキを作らなくちゃいけないんだ……」

从 ﾟ∀从「だってケーキ食べたいじゃん」

('A`)「そりゃ、博士は食べたいのかもしれないですが、俺甘いものは……」

从 ﾟ∀从ノ

?(；'A`)

('A`)「あ、俺実はケーキ好きです……作るのも大好き……」

从 ^∀从「へへっ、だと思ったー」

('A`)「…………ええ」

ドクオは何故か嬉しそうに、再びケーキを作り始めた。

材料は沢山買ってきたから、きっと沢山作ってくれるはずだ。

私は出来上がるのを待ちながら、ソファーの上で本を読むことにした。

甘い香りに包まれながら読む本は特別な時間、そしてそんな時間を過ごせる私もまた、特別な存在なのだ。

今では私がおじいさん……むにゃむにゃ

从 -∀从

51 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:52:23.25 ID:YQ0PUUsoO

５月１２日

懲りずにモララー兄さんがやってきた。本当にいい加減にして欲しい、このロリコン。

(　･∀･)「やぁ、いい天気だね」

从 ﾟ∀从「曇ってんだよ、帰れ」

(　･∀･)「連れないね、遊びに来たのに」

从 ﾟ∀从「前も言ったけど、呼んでない」

(　･∀･)「僕人の話って基本聞かないから」

最悪な人だと思った。私はブームくんとミキサーゆうたろうを呼び寄せると、バトルモードに切り替える。

無駄なモードだと思ってたけど、今は役に立つ。

| 　＾o＾　|「うぃー　がしゃ　うぃー　がしゃ」

|　^o^　|「ぎゅいいいいいいいん」

(　･∀･)「おお、ほのぼのとした擬音なのにバズーカーとチェーンソー抱えて超怖い！」

从 ﾟ∀从「じゃあ帰れよ」

(　･∀･)「ハインちゃんは本当にすごいね、小さいのにこんなロボット作れるんだもんね、……もしかしたら他にも作ったやつがあるんじゃないの？」

私はポケットから手榴弾を取り出した。家は爆発した

52 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:54:03.34 ID:YQ0PUUsoO

５月１３日

家が無くなった。

手榴弾を使ったせいで、半壊したからだ。

気づいた時モララー兄さんはいなかったけど、ドクオは家の中で瓦礫の下敷きになってた。

死んだかと思ったけど、まだ動いてる。中々しぶとい

(；'A`)「うぅ……一体何が……」

从 ﾟ∀从「近所のロリコンがうちを破壊しにきたんだよ、いくぞドクオ」

(；'A`)「い、行くってどこに？そもそも近所にロリコンが？」

从 ﾟ∀从「秘密基地に行くんだ」

後半の質問は無視して、私たちはもちもち山に向かった。

ゆうたろうは残念ながらスクラップになってしまったが、ブームくんのデータはまだ生きている。

あそこの部品を使えば何とかなるだろう。

| 　＾o＾　|「ここおこうぇｒ　ｔ　しめぁい　ｍす」

('A`)「………………」

从 ﾟ∀从「どうしたの？」

('A`)「なんでも……」

53 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:55:42.84 ID:fUW6LdW+O

支援

54 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:55:44.26 ID:V3zetuxhO

ブームｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

ゆうたろう死ぬのはぇぇｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

55 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:55:49.14 ID:A5qLDkT2O

なんかえらい事にｗｗｗｗｗ

56 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:57:12.06 ID:YQ0PUUsoO

５月１４日

もちもち山の下にある、秘密基地で新しい暮らしを始めた。

こっそり昔作ったのが、役に立ってよかった。

ちょっと埃っぽいけど仕方ない、この際我慢しよう。あとは食料だ。

幸い暇つぶしに作る玩具はよく売れるから、お金にはあまり困らない。

あとで買い物に行けばなんとかなるだろう。

从 ﾟ∀从「じゃあ、どうしようか、遊ぶ？」

('A`)「博士、その前に片付けないと」

从 ﾟ３从「ちぇー」

('A`)「あと、ブームくんを修理してください」

从 ﾟ∀从「お前、ブームくんそんなに好きだったっけ？」

('A`)「そういう訳じゃないですけど……」

| 　＾o＾　|　「ｇ−あｎ」

言いづらそうに口ごもるドクオ

そう言えば私はドクオのことを何も知らない。……何も知らない？

頭の中で問いかけるけど、答えは返ってこなかった。

むしゃくしゃしたので、とりあえずブームくんを修理してやる。

上にでれば山ほどパーツは揃ってるのだ、ドクオと一緒に取りに行けば、すぐ修理は終わるさ

57 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 17:59:17.12 ID:YQ0PUUsoO

５月１５日

大体のパーツが揃ったから、多分今日は一日中ブーム君の修理をしていることになるだろう。

ああ、面倒くさい、もうやめちゃおっかなあ。でもやめてしまったらドクオがあまたなんやかんや言ってくるんだろう。

めんどくさい、どうしてこいつはこんなにロボットに対して口出してくるんだ、わけがわからない。

从 ﾟ∀从「なー、ドクオが作って、私もう面倒臭い」

('A`)「……俺には、作れません」

从 ﾟ∀从「あっそ」

ごろん、とそのまま横たわった。

ここの欠点は、静かだけど太陽が差し込んでこないことと、湿っぽくて嫌なところだ。お金はどうせ余ってるんだし、早いところ新しい家でも買ったほうが得策かもしれない。

スパナを置いて、ネットで家を探し始めた私を見て、ドクオが言った。

('A`)「博士は、作ったロボットが壊れてもなんとも思わないんですか？」

从 ﾟ∀从「悲しいとは思うけど、壊れちゃったら仕方ないよ」

('A`)「……そうですか」

从 ﾟ∀从「でもね」

('A`)「？」

从 ^∀从「ドクオは別だよ、お前が壊れちゃったらちゃんと修理してやるからな！」

私が笑ってそういうと、ドクオは悲しそうな顔をしていた。

58 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 18:02:30.71 ID:YQ0PUUsoO

５月１６日

買出しに行くため、外に出た。秘密基地から外に出るための出口は、捨てられた冷蔵庫の入り口だ

いかにもっぽくて私は結構気に入っている。ドラえもんの勉強机的なアレみたいでさ

从 ﾟ∀从「何買おうかなー」

('A`)「無駄遣いはダメですよ」

从 ﾟ∀从「なんだとー、ドクオの癖に生意気だぞー」

('A`)「はいはい、……あれ？」

从 ﾟ∀从「ん？」

ドクオの目線を追うと、そこにはターミネーター女が立っていた。相変わらず無表情で怖い。つかまってなかったのか。

川 ﾟ -ﾟ)

またあいつか、めんどくさっ。と思う反面、どうしてこんなに会うんだろうという疑問が沸いてきた。

川 ﾟ -ﾟ)「こんにちは、通りすがりの幼女さん」

从 ﾟ∀从「ドモ、何か用？　これから出かけるんだけど」

川 ﾟ -ﾟ)「はい、ちょっと付いてきてほしくて……見つけるのに苦労したんですからね」

从 ﾟ∀从「は？」　（ﾟ- ﾟ 川三

(；'A`)「博士っ……！！」

59 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 18:03:21.71 ID:YQ0PUUsoO

ドクオの声が聞こえた、けど、その声を聞き終わる前に、私の目の前は真っ暗になった。

60 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 18:04:18.03 ID:A5qLDkT2O

つ�C

61 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 18:05:14.78 ID:YQ0PUUsoO

５月１７日

目を開けると、そこは真っ白な世界だった。

正確に言うと、置いてあるもの白いだけの普通の部屋だったけど、でもこんな全てが白いなんて普通じゃない

無機質な空間の中、私は起き上がると大きく伸びをした。

从 ﾟ∀从「……ドクオ？」

軽く見回すと、ドクオはそこにいた。

私が選んでやったジャージ姿で、そのまま近くに寝転んでいる。

私はなぜかすごく安心してそのまま四つんばいで近寄って、肩をさすった。

从 ﾟ∀从「ドクオ、起きろ」

('A`)「う……は、い」

从 ﾟ∀从「起きた？　大丈夫か？」

('A`)「……博士……はい、大丈夫です」

从 ﾟ∀从「へへっ、よかった！」

私はドクオを抱きしめると、ドクオはくぐもった声をあげた。

もしかしたら照れているのかもしれない

そんなことを考えた矢先に、扉が開いた。こういうのをＫＹって言うんだと思う。

立っていたのはターミネーター女だった。

62 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 18:06:58.25 ID:YQ0PUUsoO

川 ﾟ -ﾟ)「こんにちは、ご機嫌いかがですか？」

(；'A`)「…………」

从 ﾟ∀从「お前、何なの」

幸せな時間を邪魔された苛立が、私の声を荒げさせた。

だけど女は相変わらず無表情で、ドクオは何故か少し怯えている。

川 ﾟ -ﾟ)「少々頼まれまして、あなた方を連れてくるようにと」

从 ﾟ∀从「頼まれたって、誰に？」

川 ﾟ -ﾟ)「忙しい方ですので、まだこちらについていないのです、あなたも知ってる方ですよ」

从 ﾟ∀从「なんかもう予想つくけど」

私の知り合いなんて、限られている。

川 ﾟ -ﾟ)「明日には到着いたしますので、ごゆっくりお待ちください」

絶対逃げ出してやる

そんでもってその無表情を歪ませてやる。

63 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 18:08:23.49 ID:YQ0PUUsoO

５月１８日

せめてスパナ一本でもあれば、ここにあるもの全部改造できたのに。

私は大きなため息を漏らして、床に座り込んだ。

从 ﾟ∀从「あーーもーー、ヒマだー」

('A`)「…………」

ドクオは何故かあの女が来てから黙り込んだままで、何も喋らない。喋らないドクオはただの豚だ。

私はホッペをつまむと思い切り両方に引っ張った。

＜；'A`＞「いたたたたたたた！何するんですか！」

从 ^∀从「あははははは！ばーか！」

(∩；'A`)「ま、まったくもう……」

お腹を抱えて笑う私を、ドクオは呆れた顔で見ていたけど、その顔はどこか優しかった。

私がちょっとだけ嬉しくなったのと同時に、部屋の扉が大きな音を立てて開いた

(；･∀･)「見つけたって！？」

从 ﾟ∀从「ん？」

声のした方向には、案の定モララー兄さんが立っていた。まったく意外性のない男だ

64 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 18:09:46.89 ID:YQ0PUUsoO

まぁ私の知り合いなんて、このロリコンしかいないしね

(　･∀･)「随分探したよ、まさか手榴弾を使うなんて思わなかったからね、クーがいなかったら死んでたよ」

从 ﾟ∀从「…………」

(　･∀･)「ふう、そんな怖い顔しないでよ、僕は君を尊敬しているんだから」

モララー兄さんは私に近付くと、顎を持ち上げて口を耳元に近づけた。

(　･∀･)「何せ若くして何体ものロボットを作り上げた天才発明家……」

从；ﾟ∀从「離っ……」

(　･∀･)「ドクオ博士に作られた、最高傑作だからね、なあＨ−インリッヒ０１号？」

从 ∀从「……っ！！」

バチｯと音がして、

また目の前が真っ暗になった。もういや。

65 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 18:10:50.86 ID:A5qLDkT2O

しえしえ

66 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 18:11:58.04 ID:YQ0PUUsoO

５月１９日

再び、目を開けると、そこにはもうドクオはいなかった。

変わりにターミネーター女が隣に座っている。目覚めの気分は最悪だ。

从 ﾟ∀从「……ドクオは……？」

川 ﾟ -ﾟ)「あなたが知ることではありません」

从 ﾟ∀从「モララー兄さんは」

川 ﾟ -ﾟ)「私のご主人様を気安く呼ばないで下さい」

从 ﾟ∀从「……なんでここにいるの？」

川 ﾟ -ﾟ)「あなたが逃げ出すないよう見張るためです」

女は無表情だ。当たり前だ、だって人間じゃないもん。

アンドロイドは、ロボットに比べて表情がもっと豊富に作れそうなもんだけど。

私は足を伸ばし、そのまま床に寝転がった。

从 ﾟ∀从「……私、廃棄される？」

川 ﾟ -ﾟ)「知りません」

从 ﾟ∀从「そう」

そっか。

目にこみ上げてくる何かを抑えるようにして、私は目を閉じた。

67 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 18:12:06.94 ID:V3zetuxhO

ブームが助けにくるのか

68 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 18:12:50.69 ID:wkC6ySML0

しえ

69 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 18:13:38.66 ID:A5qLDkT2O

!? 逆だったと!?

70 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 18:13:42.63 ID:YQ0PUUsoO

５月２０日

モララー兄さんがやってきた。

隣にはドクオもいる。だけど、ドクオは生気のない青い顔をして、私の方を見てくれない。

こっちを見て欲しいのに、見てくれない

何やってんのさドクオ、こっち見ろよ。

从 ﾟ∀从「ドクオ……」

(　･∀･)「気安く博士を呼び捨てにするな、Ｈ−インリッヒ０１号」

从 ﾟ∀从「私の名前はハインだ、このロリコン野朗」

(　･∀･)「それは博士がつけた愛称に過ぎない」

博士博士と鬱陶しい奴。

私は睨みつけたけど、モララー兄さん、いや、モララーは見向きもしなかった。

(　･∀･)「本来ならばお前のような奴は廃棄処分なんだが、博士の温情により、初期化という処分になった」

从 ﾟ∀从「なんで私が初期化されなくちゃいけないんだよ、私が何したってんだよ！」

(＃･∀･)「生みの親をぞんざいに扱って何言ってるんだ、大体、なんで博士が研究所を追われることになったと思ってる？

　　　　　お前のせいなんだぞ？お前の！お前を逃がしたせいで博士は！！！」

('A`)「モララーくん、やめてくれ」

(　･∀･)「……すみません」

71 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 18:13:50.10 ID:xD8L5kFjO

wktk支援

72 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 18:17:41.52 ID:YQ0PUUsoO

从 ﾟ∀从「ドクオ……」

('A`)「ごめんな、博士……いや、ハインリッヒ」

ドクオの手が、私の頭を撫でた。

私が今まで苛めてた手、だけどあったかかった。

ドクオは涙を堪える声で、私をそっと抱きしめた。くんと匂いを嗅ぐと、ドクオの匂いがする

从 ﾟ∀从「消されるの？私」

( A )「ごめんな、ハイン、本当にごめん……また、最初に戻るだけだから」

从 ﾟ∀从「いなくなっちゃうの、私」

( A )「ごめん、ハイン……愛してるよ」

从 ﾟ∀从「ドクオ、いやだよ、消えたくない、ドクオ、博士……消えたくない」

('A`)「っ…………！！」

私が消える前の最後の記憶は、ドクオの涙だった。

私には決して流すことのできないそれは、私の頬の上を静かに落ちて消えていった。

その日、私のデータは消去された。

ブツン

73 名前：以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします：2009/06/03(水) 18:18:48.90 ID:YQ0PUUsoO

ハイン編、終わり

次はドクオ編

【('A`)編へ】